食事制限の大変さは方法次第
糖尿病の治療といえば、定期的な運動とインスリン注射、そして食事制限が浮かびます。
中でも食事の制限は、非常に厳しく大変なものとお考えの方も多いのではないでしょうか。
確かに、今まで制約なしに食べることのできていたものが、いろいろと食べられなくなるのは、辛いことかも知れません。
毎食、必要なカロリー量や栄養のバランスを考えるのも、手間が掛かるでしょう。
ただ、一見大変に思える事柄も、選ぶ方法や手段によっては案外楽になることがあります。
たとえば勉強や仕事は、詰まっていたやり方を変えたり視点を変えたりすることで、拍子抜けするくらい簡単になる場合も珍しくありません。
同じように食事制限も、発想を変えることで負担が軽くなるなら、素晴らしいと思われませんか。
このサイトでは、食事制限の方法としての「糖尿病の宅配食サービス」の利点について解説していきます。
その前に糖尿病宅配食のランキングを掲載します。その下に糖尿病の食事療法と食事宅配などについて書いています。是非、お読みください。
糖尿病食事宅配ランキング
糖尿病とはどんな病気?
まず、前提として糖尿病の恐ろしさを確認しておきましょう。
「糖尿病」という名前だけ見聞きすると、「尿に糖が出る」「尿に甘い香りが漂う」といったイメージを持つのではないでしょうか。
しかし、それは必ずしも正確というわけではありません。
国立国際医療研究センターの糖尿病情報センターによれば、糖尿病とは「インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気」をいいます。
糖は身体にとって大切な栄養素ですから、通常であれば腎臓で血液の不要物がろ過される際に回収され、体内に戻ります。
ところが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの不足や効力不全によって、細胞に糖が取り込まれなくなると、血液中に糖が多過ぎる状態になります。
そうなると腎臓での糖の回収が追いつかず、尿として体外へと排出されてしまいます。
これが糖尿病の仕組みです。
「尿に糖が出ること」というより、「尿に出てしまうほど血中に糖が多くなっていること」が問題なのです。
糖尿病はどうして怖い?
血中に糖が多いと、具体的にどんな問題があるのでしょうか。
まず、糖が細胞に取り込まれないため、栄養が不足した状態になることです。食べ物をきちんと食べているつもりでも、身体に糖が吸収されていなければエネルギー不足となってしまいます。
それに加えて、合併症の問題があります。
糖(ブドウ糖や果糖)には、タンパク質とくっつく性質があります。血管の壁もタンパク質でできているので、糖とくっつくのです。すると血管の壁は変質して硬くもろくなり、動脈硬化の原因となります。
つまり、血液中の糖の濃度が高いままでいると血管が傷つくのです。
全身を通う血管が傷つけば、心臓や脳、目、手足など至るところがダメージを負います。
その結果、心臓病や脳卒中、網膜症、神経障害などの症状が現れます。
「糖尿病は合併症が恐ろしい」とは、こういう意味です。
糖尿病で食事制限が必要な理由
糖質は炭水化物の一部であり、食事から摂取します。
炭水化物は米や小麦、芋など主食に多く含まれているので、普通の食事を取っていたら必然的に糖質も多く摂ることになってしまいます。
吸収されないままに糖質ばかりをひたすら摂っていると、血管が傷ついて合併症のリスクが高まっていくのです。
また、食事を取ると血糖値が上がるため、膵臓はインスリンを分泌します。このとき、急激に血糖値が上昇するような食事をすると、それだけ膵臓に負担が掛かってしまうのです。
膵臓の負担を軽くして、インスリンの分泌を促すためにも、食事内容や取り方は考えなければなりません。これを、食事療法といいます。
食事療法の6ステップ
糖尿病の食事療法自体は、決して難しいものではありません。ただ、難しくないからといって、楽だというわけでもないのです。
食事療法の大変さは、その面倒さにあります。具体的な6つのステップをみてみましょう。
1日に必要なエネルギー量の把握
糖尿病の治療においては、血糖値が上がり過ぎないようにするため、まずは1日に必要なエネルギーの量を知っておかなければなりません。
どれだけのエネルギーが必要で、どれだけ摂れば過剰なのかというラインを見極めなければいけないのです。
この必要なエネルギー量は、当然ですが年齢や身長、体重、性別、普段の運動量などによって変わってきます。
他の誰かにとって相応しいエネルギー量が、あなたにとっても適量なわけではありません。
このエネルギー量については、基本的に医師や管理栄養士による指導を必要とします。
エネルギーの単位を知る
エネルギーといえば、キロカロリー(kcal)が思い浮かぶでしょう。しかし、食事療法においては「単位」という考え方があります。
これは、80kcalを1単位として、「何単位まで食べられる」という具合に判断するための基準です。
いくらあなた自身に合わせたエネルギー量がわかっても、それを過不足なく摂るためにどれだけの食品を食べる必要があるのかが具体的にわからないと、意味がありません。
必要なエネルギー量を食品の量に変換するための基準が、単位なのです。
ちなみに、80kcalを1単位としているのは、人が普段食べる食品の量が80kcal前後であることが多いからとされています。
あなたへの単位の当てはめ
あなたが1日に必要なエネルギー量と、それに相当する単位を理解すれば、今度はその単位をあなたに当てはめて配分していかなければなりません。
これには、日本糖尿病学会編・著『糖尿病食事療法のための食品交換表』を用います。
2018年現在、第7版が最新版です。
参考: 日本糖尿病学会編・著『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』
食事制限をするといっても、やみくもに量を減らせばいいのではありません。タンパク質や脂質、ビタミンなどの栄養をバランスよく摂り入れなければならないのです。
あなたの身体や症状など(パーソナルデータ)に合わせた栄養配分と計算が求められます。
食品の交換可否の理解
食事制限とは、食品ではなく栄養の量が問題とされるため、同じ種類・量の栄養が摂れるなら、別の食品に置き換えても構いません。たとえば、ご飯とパンを置き換えることで、食事にバリエーションを持たせることができます。これを「交換」といいます。
もちろん、好き勝手に交換できるものではなく、食品交換表や医師・管理栄養士などの指示に基づいて、厳密に判断する必要があります。
今までの食事の再確認
食事療法を行うには、以前の食事を確認しておくのが望ましいといえます。今までの通りだと何がダメなのか、どれだけの制限が必要なのかを知らなければ、変えようがないからです。
特に、食事はライフスタイルや習慣、好みなど様々な要素が絡み合って決まるものです。
そのため、いざ食事制限だと気合を入れてみても、なかなか上手くいかないことも少なくありません。
食品交換表と照らし合わせて、現状の反省を行うのが大切です。
食事制限に基づいたメニューの組み立て
これらを行った上で、ようやく実際にメニューを組み立てることができます。必要十分な単位を満たす食品を選び、それらの食品を用いた料理を考えましょう。
ただし、調味料や料理方法も食事制限に関わってくるため、食材にだけ気を配っていれば足りるというわけではありません。
たとえば、血糖値を上げないためには、揚げ物よりは煮物や蒸し物のほうが適していますし、マヨネーズやソース、ケチャップなども控える必要があるかも知れません。食事のたびにこれらを意識するのは、やはり結構大変なことです。
糖尿病や腎臓病の宅配食サービス
食事療法の大変さについて確認したところで、「宅配食サービス」の利点をみていきましょう。
糖尿病には、食事療法のための専用食の宅配サービスがあります。これは、エネルギー量や塩分、タンパク質といった栄養素を糖尿病患者の方に合わせて調整し、温めるだけの手軽な冷凍食として届けてくれるサービスです。
腎臓病の宅配食はこちら⇒腎臓病食 宅配 口コミ
食事を「外注」するという方法
レストランやファストフード店で外食するのは気にならない。だけど、糖尿病の療養食を買うのは手抜きではないか。このように、気にされる方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、食品や栄養、そして調理法に気を配らなければならない糖尿病食だからこそ、外注することで大幅に手間暇を削ることができるのです。
自宅での食事をプライベートなものと捉える方は多いですが、食事制限はれっきとした治療でもあります。
だからこそ、管理栄養士によってきちんと管理された糖尿病食を取るのが大切です。
宅配食サービスの気になる点
宅配食と言われても、本当に大丈夫なのか心配だという声もあるでしょう。たとえば味はどうなのか、量はどうなのか、好みやアレルギーの問題はどうか、気になるお値段は……などなど。
そこで、糖尿病患者向けの宅配食サービスについて、具体的にみていきましょう。
メニューは?
そもそもメニューが単調だとすぐに飽きてしまうという問題があります。
糖尿病の食事療法は、区切りがつけば終わりというものではありません。長く続ける必要があるものです。
そこで、宅配食サービスでは豊富なメニューを用意することで、飽きの来ないように工夫されています。月ごとに新しいメニューが登場するなど、ラインナップの刷新もなされます。
ボリュームは?
いくら栄養の制限はクリアしていても、ほんの少量では物足りないものです。とはいえ、せっかくの制限食なのですから、足りなくて勝手に追加で食べてしまっては意味がありません。
お弁当の形で届けられる宅配食は、隙間なく料理が詰まっており、見た目にもボリューミーに仕上げられています。ついつい間食をしてしまうという方にも、ご安心いただけるでしょう。
アレルギーは?
アレルギーについても、当然ながら配慮されています。宅配食サービスでは相談窓口が設けられており、管理栄養士の方と相談することも可能です。
その際、アレルギーや好き嫌いなどの個別的な事情があれば、メニューの差し替えなどによって対応していただけるので、心配は要りません。
価格は?
味もメニューも問題なかったとしても、あまりに高額なら続けられません。一例として、糖尿病専用の宅配食は、ウェルネスダイニングの糖尿病宅配食なら600~700円、ニチレイフーズダイレクトの宅配食
だと700~800円ほどの価格帯です。
食品交換表とにらめっこをして、食品や調理法を選び、単位計算をする手間を考えると、そこまで高額ともいえないでしょう。
宅配食の価格は、食事そのものだけではなく、それによって節約できる手間や時間の分まで含まれているのです。
腎臓病の宅配食はこちら⇒腎臓病食 宅配 口コミ
糖尿病食事宅配のまとめ
食事は人が生きるために欠かせないものです。糖尿病は、その食事に制限が加えられてしまうという意味で、非常に不便かつ大変な病気と言えるでしょう。
しかし、糖尿病用の宅配食サービスを利用することで、それらの煩わしさから解放されます。
管理栄養士によって組み立てられたバラエティー豊かなメニューは、食事の楽しみを損なうことなく、食事療法を進めることを可能とします。ぜひ、一度試しに利用されてみてはいかがでしょうか。